現場日記

山を削ってる側の人間が、クマの話をします。

髙須竜也 2026.08.15 ☕ 約2分で読めます

以前、奥多摩の現場で工事をしていました。

何度か通う現場でした。

その途中で、一度だけ、クマを見ました。

怖かった。それと、もうひとつ

正直に言うと、怖かったです。

ただ、そのとき出てきたのは、それだけじゃなかった。

本当に、人里に降りてきてるんだ。

ニュースで見て、知ってるつもりでいました。

知ってるのと、目の前で見るのは、別ですね。

なぜ、降りてくるのか

そこから、ずっと考えてました。

なぜ、山から出てくるのか。

たぶん、餌がないんでしょう。

じゃあ、なぜ餌がないのか。

ここまで来ると、行き着く先はひとつです。

結果的に、原因をつくってるのは人間じゃないか。

で。

ここで「自然を大事にしましょう」と書けたら、楽なんですけどね。

書けません。

建設業は、開発する側だからです。

土地を造成して、掘って、基礎を打って、建物を建てる。それが僕らの仕事です。

ただ、奥多摩に通っていたのは、老人ホームの改修工事でした。造成とか、そんな大それた仕事じゃありません。

それでも、業界としては同じ側にいる。原因をつくっている側に、自分も入ってる。

そこを抜きにして環境の話をするのは、さすがに違うでしょ。

答えは、まだ出てません

じゃあ、どうするのか。

正直、まだ持ってません。

建設をやめる、という話にはならないと思ってます。必要とされてるから、仕事がある。そこは疑ってません。

ただ、「知らなかった」では済まないな、とは思うようになりました。

……と、それっぽいことを書きましたが、いま僕がやれてるのは月2回のゴミ拾いくらいです。えらそうなことは、まだ何も言えません。

それでも、見てよかった

あのとき見たクマのことは、たぶんずっと覚えてると思います。

現場に通ってなかったら、一生知らないままでした。

面白がって現場に出てると、たまにこういうものに出会います。

答えの、出ないやつに。

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髙須竜也(株式会社高須工房 代表取締役)
髙須竜也
株式会社高須工房 代表取締役
ゼネコンで16年、現場所長まで務めてから独立しました。横浜を拠点に、RC造・S造の新築と、工場・医療施設の大規模改修、住宅・店舗のリノベーションを手がけています。木造はやりません。やったことがないので。10年で100億。この数字を追うのは、子供の未来支援・動物福祉・地域美化に回すお金と時間をつくるためです。月2回の地域清掃も、元野良4匹との暮らしも、その延長線上にあります。好きなものは、ハーレーとラングラー。あとは激辛とホッピーとケバブ。

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